裸の王様

　詐欺師の仕立屋に見えない衣装を着せられ、素晴らしいと絶賛されて満足の王様。
周囲の家来達も実は見えないのに、素晴らしい、と賞賛する。
　誰かが、王様は裸だ、と言うまでは真実に気づかない人々。

私たち庶民も大体はこのように騙されていることが多いのではないだろうか。
あの映画はすごい、あの本は面白い、と偉い評論家が言うと、つまらない本でも自分で
無理に面白いと思いたがる。

そんな時に誰かが、あの本、映画はつまらない、というと気が付くというわけだ。

一昨日だったか、世界に嫁いだ日本人妻、という番組を見ていて思ったこと。
ロンドンの演出家のもとに日本人が嫁いで１６年、３人の子供に恵まれ、古い煉瓦造りの
家に住んでいる。夫６５歳、妻は４０代。
夫が演出した舞台作品は、レ・ミゼラブルなどで日本でも公演をした。
そこで出演した女優と演出家として知り合ったそうだ。

その夫の言った言葉が面白い。
「アナと雪の女王」なんて、つまらん、バカバカしい話しだ。

彼は王様は裸だよ、と言ってしまった。
なるほど、レ・ミゼラブルの感動には劣るでしょうね。

私は、ブームだった今年の初夏から夏にかけて、なんとなく見る気がしなくて映画館には
行かなかった。
ただ、史上最高の観客、というので、絵本とCDがセットになったのを買ってみた。
１０分間の英語で物語が語られる。
絵本を見ながら聞いた感想は、So ,what?
だから、どうしたの、といった感じで、いかにも多くの人の感動を誘いたいと作った話だと
裏が見え見えのような気がした。
自分をありのままでさらけ出すことが大事、というテーマだけど、なんだか、深みがない。
氷の世界だからかもしれないけれど、歴史と浪漫がないのです。

ロンドンの演出家ほど、はっきりとは言えないけれど、だよね、ということでした。

私には、トトロや千と千尋、のほうが、浪漫があるし、グレイトな感動だと思えます。

結構、私たちって人の噂につられて行動することが多いのかもしれませんね。
でも、CD付きの絵本は、わかりやすい英語で英語の勉強としてはお薦めできます。