碓井峠のバス事故は運転手さんも犠牲者 [事件事故]

今回のバス事故で犠牲になられた人々のご冥福をお祈り申し上げます。
同時に怪我をされた人々の速やかなご回復をお祈り申し上げます。

20歳前後の若者ばかり、運転していた人が最も高齢で65歳、もう一人の運転手さんが57歳、という年齢構成でした。
若者はもちろん、前途洋々の未来を消し去られ、悲惨としか言いようがないのですが、私は運転手さんも犠牲者では
ないかと思います。
当日の夜の報道ステーションでコメンテーターが言っていたとおり、日本の今の仕組みが今回の事故を引き起こしたと言えましょう。
バス会社は安売り競争の現在、安くしなくてはならないので可能な限り経費を減らして安い料金を設定し、高速道路の料金までけちろうとした。
料金4千円を減らして一般道路を通ったあげくの事故。もし高速道路を通ったとしても
40ん人の乗客で割れば一人100円、100円多く払っても生命の安全が守られるのだったら、これ以上安いことはない。

消費者も会社も10円100円にこだわって命を見落としてしまっているのではないかと思える。
 
同時に報道されたニュースもココ一番屋で廃棄したトンカツを産廃業者が廃棄料金を取っているのに、それを廃棄せずに
売ってもうけたという。30枚千円だから、一枚30円、それを弁当に使えば安い弁当ができるわけです。
業者をインタビューすれば決して裕福そうには見えない、ある意味、彼らも今の日本の行政の犠牲者ではないかと思えます。

バスの乗客もトンカツ弁当を買うのも同じ日本の消費者です。
日本人がなぜそこまでして安売りに群がるようになったか、それは日本の貧困化が原因と言えましょう。
一部の富裕層だけもうかっていて格差が広がり、貧困層が巨大化したのは、小泉改革に始まる政治の流れだと言えます。
小泉時代に大店舗法が改正され、大型ショッピングセンターが次々とできた結果、昔からの駅前商店街は寂しいシャッター通りとなりました。
消費税が導入されて、3%から徐々に上がるにつれて、人々の消費マインドは冷えて買い物を控えるようになりました。これでますます不景気が加速し、高齢になっても年金が少ない日本では高齢者も働かざるを得なくなったのです。
 昨年、女性の就労人口が90万人増えて保育園の待機も増えて喜ばしい限りといった安倍総理ですが、内訳を見ると、
増えた就労女性の半数以上が65歳以上なのです。
20代30代の子育て女性はあまり増えてないにも関わらず待機児童が増えているのは、保育園が整っていないからに
過ぎないでしょう。パートの月収は25万と想定したり、何もわからんちんが総理をやっている日本です。

国民年金にしても、まじめに40年働いた自営業者がもらえる年金は月に6万5千円、それで暮らせたのは40年前の
ことです。
15年前にアメリカ人に聞いたのは、アメリカでは一生の間に12年間働けば、50代から月に12万円の年金が出るから
それで大体暮らせるとか。アメリカは光熱費が安く、ガス水道電気合わせて5千円以内だった気がしますから
一人暮らしでも家賃が三万くらいで3DKのアパートを借りて十分生活できるわけです。

日本は、家賃が3万のアパートを見つけたとしても、光熱費が3万かかり、そこから介護保険料をひかれたら、
6万5千円は終わりです。食費が出ません。

あのバスの運転手さんも、昨年12月までは7メートルのバスしか運転したことがないというのに、わざわざ転職して
12Mの大型バスを運転させられ、高速料金を節約しなくてはならないからとクネクネした碓井峠を通って
力尽きてしまったのかもしれません。年金がないのか、不足なのか、とにかく日本の福祉行政は高齢者を守っては
くれませんから、頑張って働いた結果だとしたら、可哀想です。
その結果、前途ある若者まで巻き込んでしまったとしたら、日本の福祉行政のひどさが高齢者だけではなく
若者の未来も同時に閉ざしているといわざるを得ないのです。


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