小松左京さん、ありがとう! [映画]

学生時代に、SFが大好きで、ファンクラブをつくって同人誌もつくるなど活動をしていた。
ファンクラブをつくろう、といったのはいいけれど、同人誌の作り方などしらないので、既に活動していた人たちが中心になってくれた。
ファンクラブの名前は「卑弥呼」で一応、名前だけ代表みたいなことをしていた。
当時は、SF作家とファンの大きな集いが年に一回あり、そのとき、いろいろな作家と会って話をすることができた。
小松左京さんともお会いして、握手をすることができ、「卑弥呼」をやっています、と言うと「ほう、あなたが卑弥呼だったのですね」と
ニコニコしてくださった。恐縮するばかりだった。
そのほかにも、星新一氏とか筒井康隆氏とか、そうそうたる作家とお会いすることができた。
筒井氏は当時、目がきれいな美青年でやせていらした。
今は普通の中年おじさんみたいだが・・・

同人誌には短編を少し書いたくらいで卒業すると止めてしまったが、
同人から作家になった人々もいた。
たしか、笠井潔という人は大人しい人だったような気がする。
皇族出身のペンネーム、美苑ふう、という女性は、目が大きくて美大系の女性みたいな派手な人でびっくりしたが、その後は主婦になり、お嬢さんが黒猫の配達をしているとかで、数年前にフライデーに出ていた。
皇族だから、世が世ながらお姫様、という話だった。
美苑ふうさんが生まれた家は今は都内で美術館になっている。
当時は使用人が200人いて、朝起きてテーブルにつくと自動的に食事が出てくると思っていたそうだ。

小松左京氏の作品にはとにかく、浪漫があって好きだった。
映画になって感動したのは、「復活の日」だ。
草刈正男とオリビア・ハッセーの主演でほかにもそうそうたる俳優が出ている。
小説で最も良かったのは、「果てしなき流れの果てに」だ。
壮大な恋愛と冒険ロマンだ。
若い頃に熱烈な恋愛をした男女が別れた。
男は宇宙への冒険に旅立たなくてはならなかった。

数十年後、関西の田舎で一人暮らしをする老婆がいた。
別れてから教師をして暮らし、独身を通した彼女だった。
そこへ、放浪の果てに記憶をなくしたようなおじいさんが立ち寄り、
お茶をいただく、そして、なんとなく住み着いてしまった。
おばあさんは、どこかで会ったような気がした。
二人は数十年も一緒に暮らしてきたかのように仲良く暮らす。
老夫婦は若い頃に別れた男女だった。

 男は長い長い戦いと冒険の果てに、ついに恋人と再会できたのだが
その彼女とは知らないようだ。
お婆さんも気が付いたとしても恐らく言わないのだろう。

 ほのぼのとした感動と余韻の残る作品だった。
「復活の日」も、草刈正男が南極にいるオリビアの元まで徒歩で
南米を縦断し、ぼろぼろになってたどりつく。
その再会のシーンが感動だ。
ジャニス・イアンの歌を聴くと泣けてしまう。

小松左京さんが、今度の大震災で東日本が沈没するようなことになり、小松さん自身の予言が当たったと思ったのではないだろうか。
大震災のとき、小松さんを思いだし、彼ならなんとコメントされるか、と知りたかった。
 今日、そのコメントが「きっと日本は復活する、」ということだったと聞いてなにやらほっとした。
この大震災を目撃する時まで生きていてくださって感謝したい。

復活の日 (ハルキ文庫)


果しなき流れの果に (ハルキ文庫)


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