大往生したけりゃ医療とかかわるな [健康]

先週の木曜日、木内鶴彦さんのエイトスターでの講演会に行きたかったのだが、
朝からの仕事に疲れてしまって昼寝をしたらだるくて無理となり断念。
夕方ヒマになってオリンピックへ行って買い物。
ついでに書店で新刊を見ると面白そうな本が目にとまり、買ってしまった。
中村仁一著「大往生したけりゃ医療とかかわるな」
帯には、死ぬにはガンがいい、それも手遅れの末期ガンがいい、と書いてある。
夜にテレビをつけながら、横になって読み始めると面白くてやめられず、夜の1時までかかって
一気読み。
老人ホームのドクターで実践的経験的お話だからわかりやすい。
新谷博士、船瀬俊介氏、近藤誠博士、石原結実博士の流れを汲む主張で現代医療は医療過誤である。
ガンの三大療法はどれも効かない、苦しみを増すだけ、延命措置を施すと、更に苦しみを増す。
最も安楽で穏やかに死ねるのは何もしないこと。
もう死ぬ時なのに無理矢理点滴したり、胃にアナを開けて栄養を注入し続けて延命することはいたずらに苦しみを与えるだけ。
水も栄養も止めると10日間くらいで人間は枯れるように楽に穏やかに死ねる。
それが理想の死に方、ということだ。
 今年の二月発売だが、ベストセラーは納得。
母が胃ガンで3年間無駄に苦しんで死んだのを見ているので納得の本。
8時間の手術をして、ほとんどの臓器を切り取り、体重36キロになり、点滴で生きていた。
栄養状態が悪くなると、胸から太い管で茶色のタンパク栄養を直接入れた。
すると顔色は少し良くなるので、人はビタミンの点滴だけじゃなくてタンパクが必要だとはわかったが。
毎日、抗ガン剤を点滴し続けるので、ガンが治るどころか、健康な細胞もやられ、生命力も無くし、副作用で
吐き気が襲ってはき続けた。いろんな抗ガン剤を実験するように取っ替えひっかえ、毎日点滴されていて、
点滴が始まると何もない胃から胃液のようなものを吐く。
それを受け止めて捨てるのが付き添いの私の仕事だった。
痛みと苦しみから、麻酔注射を頼んでも滅多にやってくれない。
昔はホスピスが無かったし、麻酔はなるべくしないように、という方針だったから苦しむだけの日々だった。
本人は病院から飛び降り自殺をしたい、というまで。
新聞に出るからやめて、というと家族の為に思いとどまってくれたのだった。
どうせ死ぬのなら、もっと苦しまずに楽に最後を過ごさせたかったというのが身内の思いだ。
母は何の悪いことをしたから、地獄の苦しみを受けなくてはならなかったのか、と思うと思い当たることも
あったので余計悲惨だった。
 この本で老人ホームで楽に死んだ人の実例を読むとなるほど納得だ。
 作者はいい加減な医師ではなく、苦学して医者になった、正直で誠実な人である。
中村医師の故郷、実家の近くには昔ウバ捨て山があったとか。

ある経済評論家が、ウバ捨て山は賢明な知恵だった、と述べていたが経済だけではなく、病院で死ぬまで
点滴されるよりは、山に捨てられて飲まず食わずで死ぬことは実は恍惚のエンドルフィンが出て安楽な死に方なのかもしれない。
私もいざ死ぬ時になったら、ウバ捨て山へ行こうかと思うが、そこらじゅう登山者やハイキングで混んでいるので、すぐに見つかって通報されそうだ。
それに山の蛇とかヒルとか虫とか小動物も恐いし実際は難しそうだ。
意外に孤独死のほうが病院死よりも穏やかなのかもしれないがその後のことを考えると・・・・。
中村医師のように、遺言で無駄な末期医療をして無駄な延命はしないでくれ、と書いておいたほうが良さそうだ。
大往生したけりゃ医療とかかわるな (幻冬舎新書)


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