放射能管理区域でのオリンピックは前代未聞 [放射能]

小出先生は、政府が決めた放射能管理区域に属する場所でのオリンピックなど正気の沙汰ではないと述べています。
再び掲載します・・・

「かつての戦争で日本は負けました。負けたけれども「国破れて山河あり」だった。
国家なんていうものが負けたって、大地があれば人々は生きられる。
しかしもう人々が生きることすらができない汚染地域ができてしまっているのです。
戦争が起きたって、こんなひどいことは起きないということが、今もうすでに発生してしまっています。

 そして、福島県を中心に東北地方、関東地方にずっと広がり、群馬県の西部、宮城県の南部・北部、岩手県の一部、
茨城県の南部、千葉県の北部、東京の一部も現在の法律に照らしあわせるのならば「放射線管理区域」にしなければなりません。
法律に照らしあわせるのならば普通のみなさんは入れないのです。
私のようなごく特殊な人間だけが立ち入ってもいいと許されるのが放射線管理区域です。
私は立ち入ることはできますが、その場所に立ち入った途端に水すら飲めなくなるというのが放射線管理区域です。
それがこうした広さですでに生じてしまったということになりました。

 1年間に1ミリシーベルト以上の被曝はしてはいけないし、させてもいけないという法律があったのです。
放射線管理区域から何か物を持ちだすときには、1平方メートル当たり4万ベクレルを超えているような汚染物は
、どんな物でも持ち出してはいけないというのが法律で決まっていたのです。
しかし先ほど紹介したような広い地域の多くが1平方メートル当たり6万ベクレルを超えてすでに汚れているのです。
それも放射線管理区域の中で汚れた私の実験道具では無い、私の実験着でもない、「大地そのものが全部汚れてしまった」のです。

 これに対して、日本という国は何をしたか? 私は先ほど犯罪者だと呼んだわけですけれども、その犯罪者の日本政府は
自分が決めた法律を一切反故にしてしまい、「1ミリシーベルトなんていう基準はもう守れない、20ミリシーベルトの被曝までは
我慢しろ」と言って「放射線管理区域の基準は超えているけれども、そこにみんな住め」ということにしてしまいました。
今逃げている人に対しても、「帰還しろ」、あるいは「勝手に逃げるなら国は何にも知らない」というようなことを言っています。

 そしていま彼らは、この原発事故をなかったことにしようとしています。
日本ではこれまで58基の原子力発電所が作られてきました。そのすべては自民党政権が「安全性を確認した」として作ったのです。

 その原子力発電所が事故を起こしているのに、いま自民党政権は「安全性を確認して、いま止まっている原発を再稼働させる」と
言っている。まさに正気の沙汰ではないと私は思います。
さらに安倍さんは「新しい原発をつくる」、そして「海外に原発を輸出する」ということまで言っているわけです。

 そしてそれをやるためには、「福島の原発の事故を忘れさせる」ということが彼らにとって必要になっているのだと思います。
マスコミもそれに乗っているようですし、福島のニュースはどんどん少なくなってきて、
被災者の方々がどれだけ苦しんでいるのかということについても、マスコミ報道はほとんどなされなくなってきていると思います。

 そうであれば、私たちに必要なことは「福島を忘れない」ということです。私もそうしたいと思いますし、
今日この会場にいらっしゃって下さっている方はその思いでここに集まって来て下さっていると思います。
これからも「福島を忘れない」ということでぜひともお願いしたいと思います。」」


第二のフクシマ、日本滅亡 (朝日新書)


原子炉時限爆弾


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0