「影に対して」遠藤周作 [本]

いよいよ明日は立冬ですね。
朝晩が寒くなりましたが心は温かい(^^)
 久々に小説を読みました。最近はノンフィクションやノウハウ物が多く、小説にひたる余裕がなかったというのが本当のところ。
1ヶ月も前にNHKテレビで放送していた、遠藤周作の未発表原稿を出版した、という話。
ほとんど自伝的作品でした。
彼は10歳の頃に東大出公務員の父とバイオリン奏者の母が離婚。
母は子供が帰宅してお八つといっても練習中は部屋に入ってはいけないと3時間でも待たすほどの芸術家。
夫の為にという主婦の仕事も後回し。父は寂しかったのかもしれない。
離婚してすぐに見合い、再婚した父に育てられたがずっと父方についたことを後悔していた。
しかし、父との生活は経済的に安定していたからこそ、大学も出られた。
母は音楽の教師となったが、独特の性格からすぐに仕事を首になり、転々として終いには都内の狭いアパートで一人死去。
その母のことを書いた「影に対して」。
リクエストしてたのが届いたとメールが来たので昨日、平塚南図書館で金曜日に受け取りました。
昨晩は午前3時まで読んでしまいました。
やはり文学作品は飛ばし読みというわけにはいかなくて、一字一句読み進めました。
遠藤周作氏の心の深い闇はその辺が原点かなと思う良い作品でした。

影に対して―母をめぐる物語―


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